「レッドロック外周カラオケ!」
中学以来の同級生が連絡をくれた。
今週地元に帰るから、空いている時間はないか?と。
こやつは、いつも急である。
嵐のようにもどり、嵐のようにまた日常へと戻っていく。
体型は俺と似ている。そして、気が優しい。
優しさは、もう全体に滲み出ているような男だ。
俺は、こいつが大好きだ!
俺は、友達が多い方ではない。
だけど、こいつは、本当に昔から俺を友人として
接してくれる。
大学時代、卒業旅行だといって
当時俺のいたアメリカにも遊びにきてくれた。
俺もあいつもカラオケが大好きなのだが、
アメリカにはカラオケが当時ほとんどない状態。
代わりといってはなんだが、車の中がカラオケである。
卒業旅行できてくれた時、あいつをつれて、
俺らはラスベガスに行ってきた。
あいつにとっては、もちろん初めてのラスベガス。
スロットや夜の街、買い物全てが楽しかったが、
俺らが一番思い出話のネタにするのは、
「レッドロック外周カラオケ!」
なんのことかというと、当時ラスベガスの街の周辺は、
まだまだ砂漠地帯が多かった。少しずつ住宅地が増えつつ
あるころに行った。今では、かなりの数の住宅地や商業施設
が整っているらしい。
街から少し離れると、砂漠地帯が広がり、
その砂漠の少し向こうには、レッドロックと呼ばれる
岩盤むき出しのような岩の壁が続く。
いわゆる山脈のような、オーストラリアのエアーズロックの
ようなものを想像するといいかもしれない。
街はずれからそのレッドロック近くを通り、また街へと
戻っていく一本の道がある。周りには特に何もない。
要するに砂漠の中を走っているだけ。進行方向にもよるが、
左手または右手の奥にレッドロックがずっと見えるという
構図だ。
俺らは二人で、その道をドライブした。
その時にかけていた曲は X Japan の Say Anything。
これを二人で熱唱。当時使っていたMDプレーヤーから
流す音源に合わせて熱唱!
恥ずかしさも何もない、ただただ気持ちよく、
心の思うままに、ただただ熱唱・・・。
最高だった・・・。
悩みなし、
明日の心配なし、
アドレナリン全開!
小学校からずっと音楽の授業は大嫌いだったのに、
一度テストで5点しか取れなかったこともあったのに、
あんなもの・・・いつもおたまじゃくしにしか
見えなかったのに、
リコーダーのテストや歌のテストなど、本当に
いやでいやでたまらなかったのに・・・。
この時ばかりは、音楽が最高だった。
上手い下手とかではなく、自分たちが目一杯歌ったことが
最高だった。
若かったといえばそれまでだが。
こいつといると、こんなことまでできてしまう自分がいる。
今は普段はかなり離れた所にお互い住んでいるが、
こうしていつも連絡をくれるあいつ。
今週末会える。
気持ち悪いが、彼女に会うようなフレッシュ感!
今週はあいつを精一杯もてなそう!
おそらく、カラオケに行くだろうな!
また、熱唱しょう!